【経絡ヨーガ療法の理論と実践⑩肺・大腸経/心・小腸経】

肺経(陰)と大腸経(陽)は、陰陽でペアになっています。

<肺>は、生命を維持するための呼吸機能を司っており、
吸気によって血液に酸素を送り込み、呼気によって血液中の老廃物である二酸化炭素を排出します。
肺氣の不足は、アレルギー・気管支炎・呼吸障害・呼吸困難などを引き起こします。
また、五行論において肺は「皮膚」と関わっていると考えられ、発疹・蕁麻疹・湿疹などの皮膚疾患にも関係しています。

<大腸>は、小腸から移動してきた廃棄物の水分を吸収し、便を作り排泄する役割を担っています。
肺と大腸は解剖学的には繋がっていませんが、「吸収し、排出する」という点で、エネルギー的には同じ特性を持っています。

中国医学では、感情は「氣」の現れのひとつであると考えられており、長期に渡る感情の乱れは、臓器や経絡の機能を障害します。
また臓器の機能不全や経絡の氣のアンバランスも、感情の偏りや乱れを生じさせます。
肺氣がアンバランスになると、「悲しみ」という感情が生じやすくなります。
クヨクヨしてばかりいると、肺氣が虚し、風邪を引きやすくなったり、皮膚が弱くなったりします。
このように、體:肺・大腸-感情(心):悲しみ-魂(氣):肺経・大腸経 という全てが相互に作用しあい健康に影響を与えているのです。

 

 

心経(陰)と小腸経(陽)は、陰陽でペアになっています。

心臓の氣は「血」を統治しており、鼓動のリズムによって私たちは生命を維持しています。
中国医学において「血」は、「氣」と陰陽のペアとして機能していると考えられています。

<心臓>は、リズミカルな収縮によって、血液の循環を担い、酸素を含んだ血液を全身に供給します。
心氣の乱れは、循環不良・手足の冷え・胸焼け・静脈瘤・心臓疾患などを引き起こします。
また、心氣の健全さは「他者との健全な人間関係の構築」と深く関わっていると言われています。

<小腸>は、胃に続く消化管であり、食物の消化(分解)と栄養の吸収の殆どを担っています。
五行論では、「火」のエネルギーと関わっており、小腸の氣がアンバランスになると、痔・下痢・便秘などが生じます。

中国医学では、感情は「氣」の現れのひとつであると考えられており、長期に渡る感情の乱れは、臓器や経絡の機能を障害します。
また臓器の機能不全や経絡の氣のアンバランスも、感情の偏りや乱れを生じさせます。
心氣がアンバランスになると、「悲しみ、絶望、憂鬱」などの感情が現れやすくなったり、
社会や他者に対する「憎しみ」を募らせる傾向があります。
このように、體:心・小腸-感情(心):憎しみ-魂(氣):心経・小腸経 という全てが相互に作用しあい健康に影響を与えているのです。

 

肺・大腸経/心・小腸経アサナ

経絡ヨーガ療法において、肺/心/大腸/小腸経にアプローチするアサナは11種ですが、ここでは2種ご紹介いたします。

【肺/心経アサナⅠ腕を伸ばした四つん這いのポーズ】

①ヨガマットや毛布の上に四つん這いになります(図1)
※手は肩幅、膝は腰幅に開きます。

②右肘を90度に折り曲げ床に置き、左腕を前に伸ばします。
ちょうど右手の上に左肘を置きます(図2)

③お尻の位置はそのままで、額を右腕の上に置き、腹部を床の方へ下げ、背中を軽く反らせます(図3)
※肩に痛みや窮屈さを感じる場合は、クッションで高さを調整します(図4)

④ゆっくりと深く長い呼吸を繰り返し、3~5分ほどこの姿勢を保ちます。
※初めての方は、苦しくならない程度の時間(1分からでもOK)行い、慣れてきたら1分づつ時間を延長してみましょう。
タイマーをセットしておくのがおススメです。
※決して筋肉の力を使うことなく、重力に身を委ねるように静止状態を保ちましょう。

⑤ポーズを終えたら、子供のポーズ(休息ポーズ)で1~数分間休みます(図5)

⑥次に①~⑤を反対の腕で行います。

【肺/心経(大/小腸)アサナⅡ側屈のトンボのポーズ】

①ヨガマットや毛布の上に座り、左脚のかかとを恥骨の前に置き、右脚は外側に開いて伸ばします(図1)
※右膝の下にクッションを入れてもOKです(図2)

②左側に上体を倒し、左肘を床かクッション(ブロック)の上に置き、左手で頭を支え、
右腕を頭の方へ持ち上げ、脇の下を伸ばします(図3)
※右腕は力を抜いて頭の上に添えておきます。

③ゆっくりと深く長い呼吸を繰り返し、3~5分ほどこの姿勢を保ちます。
※初めての方は、苦しくならない程度の時間(1分からでもOK)行い、慣れてきたら1分づつ時間を延長してみましょう。
タイマーをセットしておくのがおススメです。
※決して筋肉の力を使うことなく、重力に身を委ねるように静止状態を保ちましょう。

④ポーズを終えたら、ゆっくりと上体を起こし、1分~数分間休みます(図4)

⑤次に①~④を右脚を曲げ、左脚を伸ばし、上体を右側に倒して行います。

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経絡ヨーガ療法においては、ポーズ(の形)がうまくできることが重要なのではなく、いかに呼吸がスムーズに行えるか?
力を抜き、いかに體を心地よく解放できるか?を大切にします。
ポーズに慣れてきたら、ウジャーイー・プラーナ―ヤーマを併用して練習します。
このように数分間の静止と呼吸法を用いるのが、経絡ヨーガ療法の特徴であり、それによって體の陰組織(骨や靭帯)と経絡の「氣」に同時に働きかけます。
あれこれと忙しく沢山のポーズに取り組むのではなく、ひとつのポーズにじっくり向き合うことで、自らの<體・心・魂>をより繊細に感じることができるようになるのも経絡ヨーガ療法の特徴です。

また、経絡ヨーガ療法の実習においては、
①筋肉を使わず、心地よい刺激を感じる程度に伸ばし、重力に身を委ねる。
②静止状態を保ち、呼吸を丁寧に行う(もしくはウジャーイー・プラナーヤーマを行う)
③ひとつのポーズが終わったら、1分~数分休む時間を取る。
この3つが原則となります。

ご自身の無理のないペースで、お試しください。