【経絡ヨーガ療法の理論と実践⑧肝・胆経】

次は<肝経と胆経>について。

肝経(陰)と胆系(陽)は、陰陽でペアになっています。
古来より、肝臓の氣の健康が、體全体が健全に機能するうえで非常に重要であると考えられています。

<肝臓>は、ビタミンA,D,B12,ミネラル,グリコーゲンの主な貯蔵庫であり、必要に応じてエネルギーに変換し供給します。
また肝臓は、體の中の主要な解毒工場として、アルコールや薬、老廃物などの有害物質を分解し無毒化します。
肝臓の機能が障害されると、人間が活動するためのエネルギー供給が止まってしいます。
肝経の氣がアンバランスになると、麻痺・関節炎・痙攣・筋肉の弱化や硬化・めまい・乱視や白内障などの眼の疾患を引き起こすとされています。

<胆のう>は、肝臓で作られた胆汁を蓄え、消化の際にそれを分泌します。
中国医学では、感情は「氣」の現れのひとつであると考えられており、長期に渡る感情の乱れは、臓器や経絡の機能を障害します。
また臓器の機能不全や経絡の氣のアンバランスも、感情の偏りや乱れを生じさせます。
肝氣のバランスが乱れると、感情が不安定で、短氣で怒りっぽくなるとされ、衝動的に「怒り」が爆発する傾向にあると言われています。
また「怒り」が長く続くと肝臓を傷め、肝臓の機能が障害していると、怒りっぽくなります。
このように、體:肝臓・胆のう-感情(心):怒り-魂(氣):肝経・胆経という全てが相互に作用しあい健康に影響を与えているのです。

 

肝・胆経アサナ

経絡ヨーガ療法において、肝/胆経にアプローチするアサナは12種ですが、ここでは2種ご紹介いたします。

【肝/胆経アサナⅠ膝を開いた子供のポーズ】

①ヨガマットや毛布の上に正座で座り、無理のない範囲で、できるだけ両膝を開きます(図1)

②両手を前につき、息を吐きながら、手で歩くように少しづつ前屈します。
上体が倒れたら、両肘を重ねて、額を置きます(図2)
※上体を倒すことが難しい場合は、クッションを置き、その上に上体を置いてもOKです(図3)

③ゆっくりと深く長い呼吸を繰り返し、3~5分ほどこの姿勢を保ちます。
※初めての方は、苦しくならない程度の時間(1分からでもOK)行い、慣れてきたら1分づつ時間を延長してみましょう。
タイマーをセットしておくのがおススメです。
※決して筋肉の力を使うことなく、重力に身を委ねるように静止状態を保ちましょう。

④ポーズを終えたら、息を吸いながら上体を真っ直ぐに起こします。
膝を閉じ、お尻をかかとに置いたまま上体を前へ。
子供のポーズ(休息ポーズ)で数分間リラックスして休みましょう。

 

【肝/胆経アサナⅡ半分の靴紐のポーズ)】

①ヨガマットか毛布の上に、上体を真っ直ぐに、脚を伸ばして座ります(図1)

②左脚は伸ばしたまま、右脚を折り曲げ、右膝を左膝の上に重ねるように置きます(図2)

③両手を体側に置き、手で歩くように、息を吐きながら前屈します(図3)
無理なく、臀部や股関節、鼠径部や腰に心地の良い刺激を感じる場所でストップしましょう。
背中は丸めて、上体をリラックスします。

④ゆっくりと深く長い呼吸と共に、この姿勢で3~5分静止状態を保ちます。
息が詰まったり、體に痛みや苦痛を感じる場合は、手の位置や手で支える力で調節します(図4)

⑤ポーズが終わったら、息を吸いながら上体を起こし、ゆっくりと右脚を伸ばします。
両手を後方に置き、数分間、この姿勢で休みます(図5)

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経絡ヨーガ療法においては、ポーズ(の形)がうまくできることが重要なのではなく、いかに呼吸がスムーズに行えるか?
力を抜き、いかに體を心地よく解放できるか?を大切にします。
ポーズに慣れてきたら、ウジャーイー・プラーナ―ヤーマを併用して練習します。
このように数分間の静止と呼吸法を用いるのが、経絡ヨーガ療法の特徴であり、それによって體の陰組織(骨や靭帯)と経絡の「氣」に同時に働きかけます。
あれこれと忙しく沢山のポーズに取り組むのではなく、ひとつのポーズにじっくり向き合うことで、自らの<體・心・魂>をより繊細に感じることができるようになるのも経絡ヨーガ療法の特徴です。

また、経絡ヨーガ療法の実習においては、
①筋肉を使わず、心地よい刺激を感じる程度に伸ばし、重力に身を委ねる。
②静止状態を保ち、呼吸を丁寧に行う(もしくはウジャーイー・プラナーヤーマを行う)
③ひとつのポーズが終わったら、1分~数分休む時間を取る。
この3つが原則となります。

ご自身の無理のないペースで、お試しください。