【経絡ヨーガ療法の理論と実践④プラーナ―ヤーマ】

経絡ヨーガ療法の実習においては、ただポーズを行うだけではなく、呼吸に意識を置いて「氣(=生命エネルギー)」を體の隅々に送る呼吸法を用い、この呼吸法をプラーナ―ヤーマと言います。

「プラーナ」は「生命力」を意味し、「ヤーマ」は「高める/変容させる」という意味があります。
呼吸に意識を置いて、経絡ヨーガ療法の各ポーズに取り組むことで、集中が深まり心が鎮まり、リラックスした瞑想の意識状態に入ることができます。

初めて経絡ヨーガ療法に取り組む際は、いきなりポーズと呼吸法を合わせて行うことが難しいため、ポーズに取り組む前に、プラーナ―ヤーマのみの実習を行うようにしています。
また、瞑想を行う前にプラーナ―ヤーマを行うことで、瞑想状態に入りやすくなります。

プラーナ―ヤーマの作用は、
・経絡の氣の滞りを解消し、血液から毒を除去し、肺に溜まった古い空気を除去する。
・脳細胞や分泌腺にエネルギーを供給し、大脳中枢が最高に近い能力で働くことができるように、その機能を高める。
・二酸化炭素を効果的に排出し、より多くの酸素を吸い込むことで、全身を養う。
など…

特に、不眠・精神的緊張・鬱症状のある人が行うと効果があると言われています。
呼吸を使って、心とエネルギー体のバランスを取ることに意識を集中すると、體にも大きな癒し効果があり、私たちの全体(肉体・心・魂)を調和させます。
病氣は、<肉体・心・魂が分離している>(=本来のあるべき全体性のバランスを乱している)ことによって起こり、
健康は、<肉体・心・魂が繋がった状態>(=全体が調和している状態)によって成就する。
プラーナ―ヤーマは健康維持・増進、病氣治癒・予防に大いに役立つ、ヨーガの行法のひとつです。

経絡ヨーガ療法において実習するプラーナ―ヤーマは主に3種類ありますが、ここでは、ポーズに取り組む際に行う、最も基本となる「ウジャーイー・プラーナ―ヤーマ」と呼ばれるものをご紹介いたします。
この呼吸法は、横隔膜を使ったとてもゆっくりとしたリズムで行う深い呼吸法で、血液を浄化し、肺や横隔膜を強化します。
神経を鎮め、體をリラックスさせ、心は静まり、集中力を高めます。
実際はとても奥の深い呼吸法ですが、初心者向けの実習法をご紹介いたします。

【ウジャーイー・プラーナ―ヤーマ(初心者向け/ステップ1)】

①坐骨の下にクッションをあて、脊柱を真っ直ぐにし、両方の坐骨に均等に体重がかかるようにします。
※座り方の詳細は、こちらでご確認ください。
「経絡ヨーガ療法の理論と実践③坐法」

②目を閉じ、鼻呼吸を行います。
まずは自分の呼吸を自覚し、息を吸う時にお腹が膨らんでいるか、収縮しているかを注意して観察します。
息を吐く時にどうなっているかも観察します。

③お腹の動きを注意して観たら、次に、息を吐く時、意識的にお腹を背骨に向かって凹ませます。
そして、息を吸う時、お腹をゆるめます。

④息を吐く時、お腹を凹ませ、息を吸う時、お腹をゆるめる。
この呼吸を繰り返します。

⑤無理なくできるようであれば、4カウント吐いて、4カウント吸うというリズムで行います。
まずは3~5分、息が苦しくならない程度に練習してみましょう。
この呼吸法を初めて行う際は、写真のように片手をお腹の上に置き、息を吐く時に、お腹がゆっくりと凹んでいるのを確認しましょう。

これが、ウジャーイー・プラーナ―ヤーマを体得するための第1ステップとなります。

【ウジャーイー・プラーナ―ヤーマ(初心者向け/ステップ2)】

ウジャーイー・プラナーヤーマの効果を得るには、ゆっくりと長く呼吸をすることが大切です。
長い呼吸は、神経系にリラックス反応を誘発します。
ゆっくりと長く空気を通すには、声門を閉じて呼吸をします。
初めての方は、以下の手順で感覚を掴んでみてください。
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①姿勢を整えて座り、写真のように口の前に片手をかざします。

②口を「あ」の形に開け、手のひらに向かって、「ハー」と息を吐き出します
声は出さずに、息を手のひらに当てることを意識します。
ちょうど寒い時に息を吐きかけ手を温める際の「ハー」をいう音を出すと、喉が閉まった感じがするかと思います。
この喉が閉まった感覚をまずは掴んでみてください。

③感覚がつかめたら、次に、口を閉じて同じように息を吐き出します。
鼻から息を吐き出す時に、声門を閉じることで、ゆっくりと長く吐くことができます。
うまくできていれば、ささやきのような呼吸の音を聞くことができます。
※大きな音を出す必要はありません。ご自身の内側でかすかに聞こえる程度でOKです。

④音を出して息を吐くことに慣れてきたら、吸う時も同じように音を立てられるか試してみましょう。
※基本的には息を吐く方が音を立てやすいので、最初は吸う息がうまくできなくても問題ありません。

⑤感覚が掴めたら手を降ろし、前回のウジャーイー・プラナーヤーマ(初心者向け/ステップ1)の方法に、この手法を加えます。
※リズムが乱れたり、息切れするようであれば、プラーナ―ヤーマを止めて、一度通常の自然な呼吸を数回繰り返してから、再び練習しましょう。
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呼吸の音を立て、その音に耳を傾けることで、より呼吸に意識を集中しやすくなります。
経絡ヨーガ療法においては、ポーズに取り組むうえで、この呼吸法が最も重要な要素となります。
ポーズと共に行えるよう、まずは呼吸法のみで練習してみてください。

ステップ1・2を習得したら、呼吸でエネルギー(氣)をコントロールし活性化するというステップ3へと進みます。
が、ステップ3からは実際の指導が必要となります。
本格的にプラーナ―ヤーマを習得したい方は、当院にて経絡ヨーガ療法の個人指導を行っております。